昨日と違うよね
けさのくうきは今日のもの 夢をみて飛び起きてみると そこが実は夢の中の草原だった
悲しくもないのに、目尻に涙が滲む
さみしくもないのに、小刻みに震えるのだ
空は曇り空、よく見ると、近所の見慣れた飼い犬がいる
最近見かけないから、ちょっと心配してた
名前を呼んでみる
おいで
また、夢の中の夢から覚める
今度こそ自分のベッドにいて、アラームが鳴っているよ
止めて、また眠りにつくと
夢のつづきの世界が広がる気がする
寒いな、って思うと 一面の雪
夜の静寂と、あまりの寒さに、ガタガタと震える
遠くのかすかな光を頼りに歩き出す、が足元は特に冷たく感じない
よほどよくできた防寒靴なのかしら
数メートル進んで、力尽きて雪の上に倒れ込む
意識は遠退き、再びふと気づくと
目の前は、また雪のない草原に戻っていて
あの中型犬の姿が見えた
私はトマトが大好きだ
私はオスカーピーターソンのふりをして(似ても似つかないのだが)、デタラメにピアノを弾いてみたりするのが好き
何も変わらないけれど
まわりの風景や、季節がどんどん変化していく
孤独であることも
周囲に大勢の人間がいることも
実は大差ないことであり
どんな雪深い土地であっても
凍傷になることもなく、普通に歩いて、飽きたら
春になったり、夏になったりする
〓桜並木が長く長く延びて
やわらかい陽光が降り注ぐ
アラームは、二度と鳴らない世界
どんな高度な曲だって、魔法のように弾けたりする
いや 魔法のように?魔法なのだから…
解けることのない魔法の世界
肝心なことは何一つ変わらない
大事なことは、たいせつな人々も同じであり、変わることはない
私はトマトが大好きだ